山ある記(2017年3月)森将軍塚古墳~有明山

ある日、目覚めた瞬間に思った。

「山に登りたい!」

こうして2時間後には近所の里山のトレッキングコースの入口に立ったのである。

この日登ったのは、千曲市にある森将軍塚古墳から有明山までの約1時間のコース。麓の科野の里歴史公園の駐車場に車を停められるので気軽に行くことができる。公園内には長野県立歴史館や森将軍塚古墳館があり、古墳館では森将軍塚古墳竪穴式石室の実物大のレプリカなどが展示されている。

タイムスリップしたかのような空間に思わずテンションが上がり、本来の目的を見失いそうになりつつもコースの入口に向かい、約1・6kmの有明山山頂に向けてスタート。

きれいに整備された山道はとても歩きやすく、芽吹き前のため視界が開けているので鬱蒼とした雰囲気は皆無。歩いている途中も1人で散策しているという女性や夫婦で健康のために毎週登っているという夫婦など、地域の人から親しまれている山だと伺い知れる。てくてくと進むこと約15分ほどで森将軍塚2号墳にたどり着き、さらに600mほど進むとでーんとした存在感を放つ森将軍塚古墳に到着した。

4世紀に築かれた前方後円墳を再現したこの古墳からは千曲市や長野市が一望できるほか、晴れた日には飯縄山、戸隠山、北アルプスなどがよく見える。なんて気持ちいい景色なんだろう! そばにあるベンチで10分ほど休憩して、今度は有明山将軍塚古墳へ向かうことに。ここから先は前後を見ても誰もいなく、ひっそりとした雰囲気が漂う。寂しい……、突如襲われる孤独をふり払いながら黙々と進んだ。傾斜がきつくなり、山道も細くなるので注意をしながら歩くこと15分ほどで平らな場所に出た。どうやらここが古墳らしいがあまり分からないので、そのまま山頂まで600mを進むことに。あと少し、そう思った時にふと何かの視線に気がついた。なんと私の左斜め前方5~6m離れたところにカモシカがいるではないか。

きょとんと見つめるカモシカに負けないくらいきょとんとした顔でどうしようかと佇む。しばらくするとカモシカが何度かふり返りながら離れていった。「ありがとね、おじゃましますね」と心の中でつぶやきながら歩きつづけて山頂にたどり着いたものの、残念ながら木々に囲まれたままで山頂らしさはあまり感じられず。それでもところこどろに見所があって飽きずに歩ける、初心者にはうってつけのコースだった。

補足>
片道:約1時間
トイレ:2カ所あり